CRAFTSMAN

職人の想い

先人が心をこめて守り育ててきた仙台箪笥には、時を重ねてなお多くの人を魅了する、日本の美と、技法が結集されています。

合理化された現代にあっても、先人が築いてきた手仕事による本物の良さを、未来に伝えたい。

—— 老舗としての責任と誇りの源となる、「ものづくり」への想いを、門間屋の職人に聞きました。

CRAFTSMAN - INTERVIEW-

CRAFTSMAN - INTERVIEW 1 -

Q1. 60年やってこれたのはなぜ?

同じ箪笥でもいろいろ型があって、やるたびに面白みがありました。作るたびに、ひとつひとつ違う発見があるというか。

Q2. 仙台箪笥をつくる魅力は?

箪笥つくりは、木材という自然のものが相手だから、何回やっても同じになりません。何より大事なのは、「面取り」です。昔、江戸指物出身のすごい名人 がいました。当時の斬新な商品はほとんどその人のアイデアで、今でもお客さんの支持が高い。なかなか名人と同じようには面取りができなくて、何度も仕事を見続けて学びました。

Q3. 職人として大事にしていることは?

道具作り だね。昔は食事の時間や寝る間も惜しんでやりました。そして、やっぱりお客さんに喜んでもらえることが大事。とにかく丁寧にやることです。丁寧に削ってあれば、塗りやすいし、綺麗になる。塗りが良ければ、金具をつけるときにもうまくいく。すべての工程はつながっています。日々の仕事には、今までの60年の経験がすべて生きていますね。雑用をしていた数年も、洋家具の先生にも師事して作った机とか腰掛け、食器戸棚の技術も、名人をひたすら見て学んだ時間もすべてが生きていますね。

前工房長青柳源次郎。名人と言われた青柳は江戸指物出身らしく、繊細かつ上品なデザインが得意で3代目民造と共に今に残る多くの商品デザインをした。 2 職人は一人ひとり自分専用の道具を持っています。鉋でも自分が使いやすいように刃を調整したり、土台を作ったり。自分だけの道具を作れるようになるのも職人の腕の一つです。
Q4. これからの門間屋について想うこと

若い人は、どんどん作ったほうがいいと思います。今、現代の生活に合う新しい商品にも挑戦して作ったりしていますが、自分にはできないものでもあります。変わった仕事があれば、その過程で技術を覚えていくし伸びますから。新しいものを作る中で、次の世代へ技術を継承していけたらと思います。

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